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【妊娠中に夫が死亡 胎児は法定相続人?】納税通信3784号 vol.3August 06, 2023 |
相続税 |
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Q3 妊娠中に夫が死亡 胎児は法定相続人?
現在、妻が妊娠中です。今、私に万が一のことがあった場合に、産まれていない子どもは法定相続人になるのでしょうか。そうであれば相続人の数が増えることで相続税は基礎控除額以下となりますが、そういった場合には申告しなくてもいいのでしょうか?
A3 相続税の申告期限までに未出生なら相続人の数には算入せず、出生後に更正の請求をします。
相続開始の時に妊娠しており相続人となる胎児がいても、相続税の申告期限までに、胎児が生まれていなければ、法律上も生まれているとみなすわけではありません。相続税申告時点では法定相続人の数には算入しないで計算を行い、胎児が出生したときに、必要に応じて生まれる前に行った申告手続きの更正の請求をします。万が一死産となった場合には基礎控除に算入する人数や相続する人の権利には影響はありません。
したがって、相続税の申告期限が到来した時点で胎児がいても「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内」に胎児はいないものとして相続税の申告をし、既に提出した分の修正申告や更正の請求をする場合は、出生の翌日から原則4カ月以内に行う必要があります。
ただし、その後、実際に無事に生まれたものとして計算すると非課税となり相続税の申告書を作成し提出する義務がなくなるときは、「災害その他やむを得ない理由」に該当するものとして、相続税の申告書の提出期限を出生後2カ月の範囲内で延長することができます。
遺産の配分について
当然に胎児も基礎控除の人数として含めるだけでなく、亡くなった父親の遺産について民法上の相続権を有します。ただし、遺産分割の協議に参加することや相続財産を引き継ぎ管理することはできないため、家族が代わりに書類の作成や金融機関の名義変更の手続などの対応をすることになるでしょう。当記事のケースであれば母親が中心となって代わりに手続きを行うことが認められています。
ただし、子どもには被相続人とは親子関係であり遺留分もあります。自分で相続放棄をすることもできません。権利能力がない中で通常は全部の財産を母の名義にすることはできません。配偶者と子供は遺産の分割において利益相反関係にあります。そのため、子どもの遺留分を侵害する場合は、不利益とならないように家庭裁判所が弁護士などを特別代理人として選任し、誰が何を相続するか遺産分割協議を行う必要がありますが、基本的に遺留分を侵害することはできませんので、今回のケースでは生まれてくる胎児にも、法定相続分を基本としてある程度の財産を遺すことになります。東京など評価が高い地域に土地を保有している場合は不動産も相続させないと法定相続割合通りに配分できない例も多いです。
法定相続割合通りであれば代理人を選任せずに財産配分の手続きをすることが可能ですが、子が若いうちに多額の財産を親から引き継ぐため、財産管理の面でも問題が生じる事例もあり、注意点が多いです。
相続税のお悩みは税理士に相談を
相続税の制度は複雑です。また、相続発生後、遺された親族は短い間に戸籍の確認や金融機関に戸籍謄本を提出するなどさまざまな手続きが必要となります。遺言や相続税対策など事前の対策を打っておくことで、相続発生後の手続きをスムーズに進めることができます。特に不動産を保有している場合は評価の方法や不動産の登記も必要になります。できれば生前に預金、株式、生命保険、不動産などの財産を調査し、まとめて一覧を作成し、評価方法の確認や配分の方針を状況を見て決めておくとよいでしょう。
一般的に知識が無い人が特例を活用できるかなどを自分で判断し、手続きを行うことは簡単ではありませんし、時間がかかります。遺言書の作成などの遺産相続の対策や相続発生後の申告手続きについて自分で手続きを行うことが難しい場合は税金のプロである税理士に相談して手続きを行うようにしましょう。税理士にサポートを依頼する場合は報酬を支払う必要がありますが、料金については財産の内容によるため事前に説明を受けておくようにしましょう。初回の相談はサービスで無料で応じてくれることが多いため、まずは先に電話やメールで気軽に費用についても確認してみると良いでしょう。税理士を知り合いに紹介してもらうことが難しい場合はホームページなどで相続税を普段から業務として行い、相続税に強い税理士を検索してみるとよいでしょう。
赤ちゃんが生まれたことについての申告期限は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10カ月以内」ではなく、「出生日の翌日から10カ月以内」になります。
『納税通信 』 は、オーナー社長向け財務・税務専門新聞です。 発刊から約70年、経営者のみならず、会社経営のパートナーである税理士等専門家からも貴重な情報紙として多くの支持を得ています。
