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【結婚・子育て非課税制度 贈与者の死亡で課税?】納税通信3788号

September 07, 2023

相続税

Q 結婚・子育て非課税制度 贈与者の死亡で課税?

 

 先日亡くなった父からは、5年前に「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度」を利用して1000万円の贈与を受けています。400万円はすでに結婚資金や出産費用として支出しましたが、600万円は残っています。贈与から3年以上経過しており、相続開始前3年以内の贈与ではないので、相続が発生した時に相続財産に加算しなくてもいいですか?

 

A 贈与した人が死亡すると残額は課税対象になります。

 

 結婚子育て非課税制度は、結婚や子育てに係る費用に限り祖父母や父母などの直系尊属から子や孫などに1,000万円を上限に一括で贈与できる制度です。この制度を利用する際は信託銀行などの金融機関で契約を締結し金融機関の専用の口座に預けて資金管理を行い、引き出す際に領収書などを提出する必要があります。

 結婚や子育てに係る資金に充てるために親や祖父母から贈与された1000万円以下の金額で銀行に預け、その銀行経由で「結婚・子育て資金非課税申告書」を税務署に提出するという方法をとることで贈与税が非課税となります。書類は金融機関所定の書類に記載して提出すればよく、別途税務署に手続きをする必要はありません。令和7年3月31日まで、18歳以上50歳未満の人が対象です。

 ただし、契約をしている間に贈与者が死亡すると、死亡日までに結婚や子育て費用としての支払いで使い切れなかった分は、贈与者から相続などで取得したこととされ、相続財産に加算されてしまいます。相続対策で行っている場合、相続税の節税の効果を得るためには受贈者が使い切る必要があります。当記事のケースのように使う前に贈与者が死亡してしまった場合、節税効果をえられませんので、使いきれる金額で契約を行わないと意味がありません。この制度を利用する際には披露宴や新居を探すための費用、妊娠・出産や不妊治療や産後ケアの際に生じた費用や子どもの医療費や保育にかかる費用にも利用することができます。

 

不明点は税理士に相談を

当制度を利用する場合に不明な点がある場合は普段から業務として相続税や贈与税の手続きを行っている税理士に相談し、サポートを受けるようにしましょう。また、この制度を利用することで節税効果を得られるか確認するためには財産の一覧を作成し、相続税の計算を行う必要があります。手続きをする前に効果について確認したいという場合も税理士に支援を依頼するとよいでしょう。相続税のシミュレーションを依頼する場合は、財産の内容が分かる資料を持っていくとよいでしょう。

 

 相続税・贈与税は政府の方針や社会の要望で税制改正を行うことも多く内容が変更となる可能性がありますので注意が必要です。生前贈与には暦年贈与や教育資金の一括贈与など様々な制度がありますので、贈与をする側と受ける側にとって適切な制度を選択することが重要です。相続・贈与の特例措置や各種特例や控除の制度は一定の期限があるものも多く、制度の変更や終了もありますので、非課税枠の上限となる110万円を超える贈与を行う場合は、税理士に確認するか国税庁のホームページや市販の本などで最新情報を確認するようにしましょう。

 

 

 

 

 令和3年3月31日以前に取得をした金銭等に対応する管理残額に相当する相続税額については、相続税額の2割加算の規定は適用されませんが、令和3年4月1日以後の取得分に対応する管理残額については、相続税額の2割加算の規定が適用されます。

 


納税通信 』 は、オーナー社長向け財務・税務専門新聞です。
発刊から約70年、経営者のみならず、会社経営のパートナーである税理士等専門家からも貴重な情報紙として多くの支持を得ています。

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