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【相続財産の「電話加入権」 使っていないが評価必要?】納税通信3707号 vol.3

February 08, 2022

相続税

Q3 相続財産の「電話加入権」 使っていないが評価必要?

 

 先日母が亡くなったため、相続手続きの準備を始めました。5年前に亡くなった父の相続税の申告書を見返すと、財産一覧に「電話加入権1500円」と記載されていました。母が亡くなった後、実家の固定電話を使う人はいませんが、「電話加入権」を評価しなければなりませんか?

 

A3 家庭用財産に一括するため個別評価の必要はありません。

 

 電話加入権とは「NTTの固定電話回線を使用するための権利」のことで、NTTに固定電話の契約を申し込む際に、電話を利用する者が「施設設置負担金」という料金を支払うことで電話回線を取得する権利です。電話加入権は住所地によってNTT東日本またはNTT西日本に許可を得たうえで譲渡をすることも可能で、親などの相続が発生すると名義を変更するか解約する必要があります。

 これまで相続や贈与などにより名義変更で取得した電話加入権は課税時期の額、または各国税局長が定める標準価額で評価され、令和2年分は全国一律で評価額は1500円でした。

 しかし令和3年1月1日以降は、売買実例価額などを汲み取って考えることと変わって、それぞれの財産の種類ごとに金額を決めて評価するのではなく、一括して評価する家具等の家庭用財産関係の承継に含めて差し支えないこととされました。名義変更の手続きはNTTに戸籍謄本などの書類を送付する必要がありますので、電話などで手続きの方法や書類の内容を確認しておくとよいでしょう。相続発生後は当記事で解説した電話回線以外にもガスや電気、年金など他にも様々な手続きを行う必要があります。やるべきことが多いので、行わなければいけない事項を表にまとめて作成するなど、漏れなく手続きするようにしましょう。

 

 相続税の計算方法は国税庁のホームページにも記載されていますが、経験がない人も多く自分や家族が行うことは簡単ではありません。そのため、相続税の申告や手続きの方法が分からない場合は税理士に相談し、サポートを受けるとよいでしょう。相続税は被相続人の死亡後10ヶ月以内に税務署に申告書の提出と納付を完了させる必要があり、遺産分割の協議や不動産の評価を先に終わらせておく必要があります。

 

可能であれば、事前に遺言の作成や財産の一覧を作成するなど対策を検討しておくとよいでしょう。行政サービスなどで、無料の遺言の相談会を行っている場合もありますので、参加してみてもよいでしょう。

 

 生前に遺言を作成していない場合、相続人同士でトラブルになり時間がかかる事例も多くありますので注意が必要です。相続税の申告期限に間に合わないケースでは、税務署から指摘される可能性もありますので、早めに着手することをおすすめします。遺産相続や相続税の申告にお悩みの方や時間がかかりそうな方は気軽に税理士にサポートを依頼し、状況を説明するとよいでしょう。税理士に依頼すると費用はかかりますが、正確かつ迅速に手続ができるため、安心して任せることができます。

 

 

 家庭用動産等は1個または1組の価額が5万円以下のもので、一式5万円~30万円程度で計上するのが一般的です。

 

 

納税通信 』 は、オーナー社長向け財務・税務専門新聞です。
発刊から約70年、経営者のみならず、会社経営のパートナーである税理士等専門家からも貴重な情報紙として多くの支持を得ています。

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