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相続お役立ち情報
納税通信3695号 vol.2
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相続税 |
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Q2 私だけ遺産を全額放棄 額によっては申告必要?
子どもがいなかった兄の相続で、兄の奥さんともめごとになってしまったため一切の権利を放棄することにしました。1億円前後の遺産があるので相続税の申告は必要になると思いますが、私の申告義務はどうなるのでしょうか?
A2 相続放棄や財産放棄により遺産を受け取らなかった人は、遺産額の多寡にかかわらず相続税の申告義務はありません。
相続税の納税義務者は、「相続または遺贈により財産を取得した者」とされています。そのため、相続放棄や財産放棄により遺産を受け取らなかった人は、遺産総額が基礎控除額を上回るため相続税の申告をしなければならないときの法定相続人であっても、相続税の納税義務、申告義務ともにありません。
相続税の申告書は、相続人全員の連名で申告することが一般的であり、申告義務のない法定相続人が、他の相続人と一緒に相続税の申告をしても問題はありません。
なお、財産放棄(遺産放棄)と相続放棄は、似ているようですが、相続人の間で「遺産を相続しない」という意思表示をしているだけの「財産放棄(遺産放棄)」と、家庭裁判所に申述をして認められる「相続放棄」とは、法律上全く異なります。相続税の計算を行う場合には、「相続放棄」があっても「放棄はなかった」ものとして、相続人全員分の相続税の合計金額を計算します。
生命保険金や死亡退職金は「みなし相続財産」となります。遺産を相続していなくても、死亡保険金等を受け取っていれば相続税の申告義務がありますので注意が必要です。
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