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相続お役立ち情報
納税通信3844号
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相続税 |
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Q 相続人に支払った代償金 土地の取得費に加算可能か
母の相続で取得した不動産を売却します。土地を相続する際に、代償分割として、もう一人の相続人である妹に代償金を支払ったのですが、代償金を土地の取得費に加算できますか。
A 相続財産を取得する際に支払った代償金は、譲渡所得の計算上、取得費に加算できません。
代償分割とは、遺産の分割に当たって相続財産を現物で取得した人が、他の共同相続人などに対して債務を負担するもので、現物分割が困難な場合に行われる方法です。相続財産を取得する際に支払った代償金は、遺産分割調整金債務であり、被相続人の他の債務が相続税の課税価格を計算する際に控除されるので相続財産の取得費を構成しないのと同様に、消極財産(遺産債務)として調整済みのものです。そのため、譲渡所得の計算上、取得費に加算できません。
なお、相続で取得した財産を相続税の申告期限の翌日から3年以内に譲渡した場合には、支払った相続税額のうち、一部の金額を譲渡所得の金額の計算をする上で取得費に加算できますが、代償分割により代償金を支払った場合などには、加算額の式に調整が加わるので注意が必要です。
売却を予定したうえで相続人の1人が遺産を取得する場合などは、後の譲渡時の譲渡所得にかかる税金や、その譲渡にかかるその他の付随費用についても考慮したうえで代償金を決定するようにしましょう。
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