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【小規模宅地等の特例と 貸家建付地は併用できる?】納税通信3813号March 08, 2024 |
相続税 |
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Q 小規模宅地等の特例と 貸家建付地は併用できる?
先日亡くなった父は、生前、父名義の土地に父と配偶者である母と共有でアパートを建て、その全室を賃貸していました。「小規模宅地等の特例」と「貸家建付地」の減額評価は併用できますか。なお、母は父へ地代を支払っていませんでした。
A 両方の要件を満たしていれば併用可能です。
不動産は同じものが二つとありませんので、国税庁により価格を決める評価方法が定められています。基本的には土地は路線価×面積、建物は固定資産税で計算することが必要となりますが、建物を居住用として継続的に人に貸している状態であれば貸家建付地は評価を減額することが認められています。
「貸家建付地」は、自宅として利用しているのではなく、収益用の物件として土地の上にマンションなどの建物を建てて貸家の敷地の用に供されている宅地で、次の算式で求めた金額により評価します。貸家建付地の価額は、「自用地としての価額-自用地としての価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合」で計算します。賃貸割合とは部屋に入っているということが条件ですので、入居者が入らず空室が続いている場合は賃貸割合が下がります。
ご質問の場合、貸家の父の持分に相当する部分は申告期限内に売却しない場合は「貸家建付地」として評価しますが、貸家の妻の持分に相当する部分は自用地として評価し、貸家建付地として評価することはできません。ただし、妻の持分についても、被相続人等の貸付事業用の宅地等として、200㎡を限度に小規模宅地等の特例を利用することができます。
また、小規模宅地等の面積は、自用地部分から先に選択適用することが認められていますから、アクセスがよく評価額が高くなる自用地部分から小規模宅地等の特例を選択し、限度面積に残りがあれば貸家建付地についても適用することができますので、適用漏れが無いように注意しましょう。また、特例を利用することで相続税の額が0円になることもありますが、基礎控除以下でない場合は算出された税額が0円でも期間内に申告をする必要があります。
複雑なケースは税理士に相談を
今回の記事でご紹介したケースのように、資産の評価や特例の適用可否は複雑で誰が取得するかや用途によっても条件を満たすか別れる時がありますので評価が異なります。上記に記載したとおり制度の内容も複雑ですので知識が無い人が申告手続きを行うことは簡単ではありません。評価額を自分で判断することが難しい場合は、税金の専門家で普段から業務として相続税の手続きを行っている税理士に相談し、手続きを進めるようにしましょう。被相続人が所有していた課税の対象となる相続財産を評価し、一覧の表を作成しますが自分で評価方法を判断し、誤って申告をしたことで、税務調査で指摘され加算税を請求される事例もあります。費用はかかりますが税理士に依頼することで安心して手続きを進めることができるでしょう。
また、生前に税理士に相談することで節税につなげることも可能です。節税対策には様々な方法がありますが生前に対策を行っておけば、実際に親族の負担を大きく減らすことができる例もありますので、財産が多く基礎控除を超える場合は、贈与などの節税対策を検討してもよいでしょう。相続が発生した後に高い税額を負担することがないように専門家である税理士にサポートを依頼することをおすすめします。まずは相続が発生した際にどれくらいの相続税がかかるかシミュレーションを行って確認してみるとよいでしょう。初回の相談は無料で対応してくれる税理士も多いので電話やメールなどで気軽に相談してみるとよいでしょう。
貸付事業用の宅地等は、相続開始の直前において被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等で、申告期限まで保有していることが要件となります。ただし、相続開始前3年以内に新たに貸付事業の用に供された宅地等は除きます。
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