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【相続での障害者控除 父母両方で活用可?】納税通信3808号

February 02, 2024

相続税

Q 相続での障害者控除 父母両方で活用可?

 

 相続人に障害者がいると、相続時の年齢から85歳に達するまでの年数に応じて障害者控除額が計算されるそうですが、子に障害があれば、父と母の両方の相続時点での年齢で、控除額を計算すればいいでしょうか?

 

A 1回目の相続でどれだけ適用を受けたかで2回目の控除額が変わります。

 

 障害者控除とは、日本国内に住所を持つ相続人が知的障害者や身体障害者に当てはまる場合、85歳未満の障害者である場合に適用を受け、一定額を差し引くことができる税額控除です。

 障害者控除の額は重度の障害か否かによって異なり、等級によって決められています。障害者控除の額は、その障害者が3級から6級の一般障害者の場合満85歳になるまでの年数1年(年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します)につき10万円(1級または2級の特別障害者の場合は1年につき20万円)で計算した額を、相続税の額から差し引くことができます。手続きの際は控除を受ける者が対象者であることを証明するために認定を受け交付を受けている身体障害者手帳や精神障害者保険福祉手帳、療育手帳等のコピーを税務署に提出する必要があります。

 ただし、その障害者が今回の相続以前の相続においても障害者控除を受け、既に障害者控除額の全額を控除していると、2回目は障害者控除の適用を受けることができません。今回の相続以前の相続において、障害者控除額が残っていれば、残っている控除額と、今の年齢で控除額を計算して、金額が少ないほうが障害者控除額となります。

 

相続税の申告は税理士に相談を

 当記事では障害者控除について解説しましたが、相続税の制度や評価の方法は国税庁のホームページなどで確認することができますが、複雑で税の知識が無い人にとって簡単なものではありません。障害者控除の他に要件を満たすことで小規模宅地の特例や配偶者控除など他の各種特例を利用できる場合もあります。預貯金や株式、不動産など被相続人が保有していた資産をまとめて一覧の表にしてみた結果、基礎控除を超えている場合、取得した相続人が、相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告書の提出を行う必要がありますので、期限には注意が必要です。基礎控除の計算式は3,000万円+法定相続人×600万円です。

 被相続人が亡くなってから10ヶ月以上経過すると利用できなくなる特例もあり、デメリットも大きいです。また、特例を利用して相続税が0円になる場合でも申告自体を怠った場合は税務調査で指摘され、ペナルティを受ける可能性もあります。相続税の申告が必要な場合は期限内に対応する必要があるため、親族に負担がかからないように早めに相続税の申告が必要とどうか判定しておきましょう。

 

 自分で相続税の申告をすることが難しい場合は税金の専門家で業務の経験が豊富な税理士に依頼し、申告の支援をしてもらうことで安心して手続きを進めることができます。税理士に依頼することで、相続税の計算や書類の作成、添付する資料の準備も依頼することができます。費用はかかりますが、税理士に依頼することで特例なども漏れなく利用し、期限内に手続きを進めることができるでしょう。また、行為能力を欠くような障害を持つ相続人がいる場合、遺産分割の協議ができず手続きが進められないこともあり、配偶者や子供、兄弟姉妹などに負担がかかることも多くあります。いずれ相続が発生した時の負担を軽減するための対策として先に遺言書の作成方法や記載の内容なども税理士にサポートを依頼してみてもよいでしょう。初回の相談は無料で対応している税理士も多いので気軽に電話やメールで相談してみるとよいでしょう。

 

 

 障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引き切れないときは、その引き切れない部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。

 

 

納税通信 』 は、オーナー社長向け財務・税務専門新聞です。
発刊から約70年、経営者のみならず、会社経営のパートナーである税理士等専門家からも貴重な情報紙として多くの支持を得ています。

 

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