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【遺言書の執行費用 債務として控除できる?】納税通信3801号

December 06, 2023

相続税

Q 遺言書の執行費用 債務として控除できる?

 

 先日亡くなった父は、生前に公正証書遺言を遺していたため、遺言のとおりに相続しました。遺言書の執行費用や相続登記費用は、相続税の課税価格の計算上財産の価額から債務として控除することはできますか?

 

A 遺言書の執行費用や相続登記費用は、相続税の計算で債務控除できません。

 

 被相続人の相続が発生した時に有していた、債務や葬式にかかる費用、未払いの公租公課については相続税法上、相続財産から差し引くことができます。

 遺言書が作成されており、相続発生後に支払うことになる執行費用や相続登記費用は、相続開始後に発生したものであり、被相続人の債務でもなく相続開始の際に現に存するものでもないため、相続税の課税価格の計算上財産の価額から債務として控除の対象とはなりません。

 また、遺産相続における遺言書の執行費用の他、遺産分割の協議がうまくいかず関係が悪化してしまい弁護士に交渉を依頼した費用についても、相続税の課税価格の計算上財産の価額から債務として控除することはできません。

 なお、不動産賃貸業を営んでいた事業主が死亡して相続人が事業を引き継ぐ場合に、その賃貸不動産の相続に際して負担した登録免許税や不動産取得税等は、不動産所得の計算上、必要経費に算入することができます。

 

不明点は専門家に相談を

 当記事では執行費用の取り扱いについて解説しましたが、相続に関する制度は複雑で実際には民法や相続税法などさまざまな法律や制度が複雑に絡みあい、財産の内容によって評価の方法も異なります。相続は何度も経験することはないため、手続きや相続税の計算に慣れないのは当然です。故人の遺産が基礎控除を超える場合、財産を受け取った者は相続発生から10ヶ月以内に税務署に相続税の申告が必要となり、相続発生時点の預貯金や株式、生命保険、土地・建物、金等の一覧を作成し、各財産の評価を行うとともに取得した財産に応じて納税する必要があります。誤って申告をした場合や申告漏れがあった場合は加算税という追加の税金を請求される事例もあります。

 

 平日は仕事で時間がとれず、自分で手続きを進めることが難しい場合は司法書士や税理士など相続関連の実績が豊富な専門家に依頼することを検討してもよいでしょう。専門家に依頼することで報酬を支払う必要はありますが、相続税の特例などを漏れなく適用することで節税につながる場合もあります。期限も短く時間がかかることも多いです。初回の相談は無料で対応してくれる税理士が多いので、可能な限り早く相談し、手続きを進めるようにしましょう。税理士に申告を依頼する場合は実際にかかる金額を事前に確認してから契約するようにしましょう。

 

 

 遺言執行人は、必ずしも遺言で決めておく必要はありませんが、決まっていない場合、遺言者の死亡後、家庭裁判所で決めてもらうことになりますので、手間と時間がかかってしまいます。事前に決めておくとよいでしょう。

 

 

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発刊から約70年、経営者のみならず、会社経営のパートナーである税理士等専門家からも貴重な情報紙として多くの支持を得ています。

 

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