Blog

相続お役立ち情報

【被相続人の未受給年金 相続財産になるのか】納税通信3666号 vol.2

April 14, 2021

相続税

Q2 被相続人の未受給年金 相続財産になるのか



亡くなった母にはまだ受け取っていない年金があるので、遺族の私が受給します。本来は母が受給者ですが、代わりに受け取る年金は相続財産の課税対象となりますか。



A2 相続税の課税財産ではなく、遺族の一時所得として課税されます。



遺族が国民年金(基礎年金)や厚生年金など未支給の公的年金や企業年金を受給した場合、受給した遺族の固有の権利として請求するものであると考えられるため、死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはなりませんが、支給を受けた遺族の一時所得になります。



国民年金は、偶数月にその前月までの金額が支払われる仕組みです。そのため、相続開始の日を含む月とその前月分の年金は、死亡時点では亡くなる前に得るべきだった年金が未支給の状態となります。この未支給年金は相続税の課税対象とはなりません。遺族が受給した未支給の年金は一時所得に該当し、そのほかの一時所得との合計が50万円を超えると税金がかかり確定申告の対象となりますので額が大きい場合は対応が必要です。



未受給年金を請求できる人は、民法で定められている法定相続人とは異なります。未支給年金請求権が付与される親族の範囲と順位は、年金を受けていた人が死亡した時にその人と生計を同じくしていた①配偶者、②子、③父母、④孫、⑤祖父母、⑥兄弟姉妹、⑦①~⑥以外の3親等内の親族です。当記事の子どものように家族の中で代表となる人が年金事務所に死亡届を出して手続きを進める必要がありますので、注意しましょう。それ以外の人が財産の遺贈を受けるケースでも請求することができません。



他にも民間の保険会社で契約をしている個人年金保険がある場合、生前に指定された受取人が受け取れるので、忘れずに手続きするようにしましょう。



申告を行った後に申告するべき財産が漏れていると、修正申告を行う必要がでてきます。今回のように相続に関係して手続きをするものの中で相続税がかかるか否かわからないものは一旦、口座に入っている預貯金、有価証券、土地・建物、金などの動産とともに一覧の表を作成して金額を記載しておきましょう。



財産が基礎控除以下の場合は、相続税の申告は必要ありませんが、基礎控除を超える場合は必ず相続税の申告が必要となります。相続税の申告は相続発生の翌日から10ヶ月以内と短い期間で税務署に申告書の提出と納付を行う必要があります。不動産の登記や戸籍謄本の収集など様々な関連する異なる手続きを同時進行で行う必要があります。誤った申告をすると税務調査で指摘される可能性もあります。



生命保険など一部非課税となる枠がある財産もあり、課税対象となる財産の評価は複雑です。また、遺産分割の内容によって特例の利用可否も変わりますので、相続税の計算方法や申告書の書き方が分からない場合は税理士のサポートを受けて手続きを進めるようにしましょう。



知り合いから税理士を紹介してもらうことが難しい場合はホームページなどで相続税や贈与税に強い税理士を探すとよいでしょう。初回の相談は無料で応じてくれるケースも多いです。思っている以上に時間がかかることが多いので、早めに財産の内容が分かる書類を持っていき、専門家に相談してみることをおすすめします。



国民年金法では、未支給年金請求権は遺族固有の権利であり、年金受給者の財産ではないと解釈されています。



納税通信 』 は、オーナー社長向け財務・税務専門新聞です。 発刊から約70年、経営者のみならず、会社経営のパートナーである税理士等専門家からも貴重な情報紙として多くの支持を得ています。



相続税のご相談は増田浩美税理士事務所 までクローバー

Prev   Next

お問合せ・ご相談はこちら
03-5914-3661