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【相続人外の特別寄与料 課税対象になるの?】納税通信3774号 vol.2

June 01, 2023

相続税

Q2 相続人外の特別寄与料 課税対象になるの?


長く介護していた叔父が亡くなりました。叔父には長く別居している配偶者とその子どもがいます。遺産は、法定相続人である配偶者と子どもが受け取ることになることは承知しておりますが、その貢献度に応じた金額を相続人に請求できる制度があると聞きました。これをもらった場合、税金がかかるのでしょうか?


A2 特別寄与料は遺贈により取得したものとして相続税の課税対象です。


被相続人の親族で相続人ではない者が、被相続人に対して無償で介護等をしていたことで被相続人の財産の維持または増加に寄与した金額を特別寄与料といいます。当該親族は、相続人に対して、特別寄与料を請求することが可能です。


被相続人の課税対象となる財産が基礎控除を超えている場合、特別寄与料は、相続税法上遺贈により取得したものとみなして、相続税が課税されます。逆に、特別寄与料を支払った相続人は、この特別寄与料を相続人の課税価格から控除することができます(債務控除)。株式や不動産などがある場合は相場によって時価が変動しますので、亡くなった時点の時価で算定し、いくらくらいの相続税となるかとシミュレーションをした方がよいでしょう。


なお、特別寄与者は、相続人の1親等内の血族または配偶者ではありませんから、相続税額は2割加算となります。

特別寄与料を請求する際の注意点

当記事で解説したケースのように民法上の相続人ではないものの、看護や家業の継続などに労務の提供により貢献した場合は、特別寄与料を請求したいと考える人は多いでしょう。確かに介護が必要となってから、何年も経過した場合は、相当な負担になります。


しかし、特別寄与料は何をしたらいくら請求できるなど具体的な計算方法や対象となる行為や要件が定められているわけではありません。療養期間や何を行っていたかを示すことになりますが、具体的な額を確定し、遺産分割の協議のうえ認められることは非常に難しいものです。1年間の介護にかかる費用などを参考にして計算することになりますが、請求する側が特別に貢献したことを証明する必要があります。どの程度の貢献をしたか受け取れる資産の目安を決めることは非常に難しく全く支払われない可能性もあるでしょう。


相続税は被相続人が亡くなった翌日から10ヶ月以内と短い期限で税務署に申告書を提出する必要があり、相続開始後は短い期間で、金融機関の名義変更等の手続きもしながら、申告まで完了する必要があるため短い期間で配分を決める必要があります。実際にはどの程度寄与分として支払うかなかなか決まらない事例も多くあります。


一方で生前の対策として遺言が作成されていた場合は、遺言書を根拠に財産を受けることができます。その場合は、寄与分として請求するのではなく、遺言書によって金額が指定されているので寄与分について計算して証明する必要はありません。子の配偶者など姻族や甥・姪等の3親等の親族にはお世話になる状況となることは多いものの、法定相続人ではないので、負担をかけたと考える場合は財産を遺すことを検討してもよいでしょう。


ただし、上記のように相続財産を相続人以外が受け取る場合、遺贈された残額を分けることになるため、相続放棄をしない限り、他の相続人が法定相続分より少ない財産を相続することになるため、不公平感が大きくなり、トラブルになるケースも多くあります。場合によっては第三者に介護を受けている場合など、相当な負担をかけている場合は、遺贈をするよりも介護を受けている期間中、年間110万円までの範囲で贈与をした方がよいかもしれません。


特に配偶者や子供が相続する分が遺留分以下になる時は通常、遺留分侵害額請求がされ、遺言書通りには分割方法を決定できないケースも多くあります。東京などアクセスが良い場所にある不動産など価額の大きい不動産を遺贈された場合は処分して、売却により得た金銭で払う必要が生じるなど対応が必要なケースもあります。遺言の作成を検討している際は、後で問題とならないように遺留分は考慮して準備や検討を行った方がよいでしょう。また、どの程度遺贈するかは、書類に示すだけでなく事前に理由や考え方を伝えておくなど、相続が発生してから初めて知ったことでトラブルになり関係が悪化しないように注意が必要です。そのため、遺言書を作成する場合は、財産の一覧を作成し、今後かかる妻の生活費などそれぞれの事情も考慮し、具体的に内容について検討するようにしましょう。


知識がなく、配分の割合など判断に迷う場合は弁護士や司法書士、税理士など実務をよく知る実績が豊富な専門家の紹介をしてもらい、サポートを受けて進めることを検討してみてもよいでしょう。初回の相談はサービスで無料で応じてくれるケースもありますが、遺言書の作成も依頼する場合は費用がかかりますので、最終的にどの程度の支払いとなるかも確認してから正式に依頼するようにしましょう。報酬は事務所によって異なりますが、不動産の数など財産の内容や金額によって定められていることが多いです。まずは電話やメールなどでどのような資料を持っていくとよいか確認するとよいでしょう。


 特別寄与料について、当事者間で話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所の調停または審判の手続きを利用し、解決することができます。


納税通信 』 は、オーナー社長向け財務・税務専門新聞です。 発刊から約70年、経営者のみならず、会社経営のパートナーである税理士等専門家からも貴重な情報紙として多くの支持を得ています。


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