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【相続財産の換価分割 譲渡所得税の申告は誰?】納税通信3766号 vol.1April 02, 2023 |
相続税 |
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Q1 相続財産の換価分割 譲渡所得税の申告は誰?
昨年末に母が亡くなりました。父は既に他界しておらず、遺言書は作成されていないため、母の残した財産は私と妹の2人で遺産分割の協議をする必要があります。財産の内容を一覧にした結果、所有する不動産と上に建っている建物を売却しないと均等の割合で相続することが難しいと考えています。
そのため、相続財産は不動産を含め全て換金するという選択をとったうえで平等に分けたいと考えており、合意できています。この場合の不動産の譲渡所得の申告は、誰の名前ですることになりますか?
A1 各人の相続分に応じて課税されるため、それぞれが申告します。
上記の例のように不動産などの遺産をすべて換金し、その換金された金額を後で相続人全員で公平になるように法定相続分どおりに分配する方法を換価分割といいます。換価分割は被相続人の財産が不動産など現物資産が多い場合によく用いられる方法です。当記事の事例のように換価分割は、いったんその不動産を相続人が共有で相続して、その後売却して得た代金を分割することになるため、譲渡所得税は各相続人の相続分に応じて課税されます。
譲渡所得税の計算は、取得した人の条件によって異なります。土地の売却価額が5,000万円で土地の取得費が1,000万円なら譲渡による利益は4,000万円となり、これを折半した兄妹は、それぞれ2,000万円の利益となります。ここで、例えば妹さんは亡くなったお母様と同居していると、妹さんは自宅を売却したことになりますので、居住用不動産の売却で3,000万円の特別控除の要件を満たし、節税することができます。控除の特例を受けるためには他の所得と合算して確定申告の手続きが必要です。自分で確定申告を行うこともできますが、関係者に税務の知識がある人がおらず、申告書の書き方が難しい時は税理士を紹介してもらい、申告の手続きを依頼してもよいでしょう。他にも相続を理由に空き家になった不動産を売却した際に控除ができる特例もあります。相続は様々なケースでメリットが大きい特例を使えるため、税金を必要以上に多く払うことがないようにしっかりと確認しておきましょう。
また、財産の評価額の合計が基礎控除を超える場合は相続税の申告が必要です。相続税の申告期限も相続発生から10ヶ月と短く、金融機関の名義変更や不動産の登記などもあり忙しい中で、いくら税金を支払う必要があるか、税額の計算を行わなければいけません。
申告の対象であるにも関わらず、対応を怠った場合は加算税を支払うことになる可能性がありますので、代表者が忘れずに申告を行うようにしましょう。自分で行うことが難しい場合は税理士にサポートを依頼することも可能です。相続税の申告は資産の内容や額によって費用が代わりますので、まずはメールや電話などで気軽に見積もりを依頼するとよいでしょう。
不動産の相続では、代償分割という方法もあります。譲渡所得が生じたときは、所得税や住民税ばかりでなく、翌年の社会保険料に影響することもありますので、分割方法の検討の際には、相続税以外の負担まで検討したうえで、決定しましょう。
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